2025年6月16日、ホンダUKは7月10日から13日まで開催される英国ウエスト・サセックス州で開催されるグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにて、欧州ではAセグメントに属する新しいEVコンセプトカーを世界初公開すると発表した。往年のコンパクトスポーツ「シティターボII ブルドッグ」を彷彿とさせる豪快ないで立ちで、日本では今秋発売を予定するN-ONEベース新型EVの派生モデルとして、2026年に発売する計画だ。

着々と進むホンダの小さなEV計画。日本では小型車枠に?

ホンダのEV戦略というと、その基幹となるグローバルカーでもある「Honda 0 Series」の動向に目を奪われがちだが、もうひとつの柱として「小型EVの展開」をめざしていることも、とくに日本では見逃せない。

すでに2024年秋には初の軽商用EV「N-VAN e:」も発表し、2025年秋にはN-ONEをベースにした乗用軽EVの国内市場投入も予定されている。さらに「2026年には、『操る楽しさを際立たせた小型EV』など、小型EVのニーズがある地域に対して順次製品を投入」するが明言されていた。

今回、グッドウッドで世界初公開されるスーパーEVコンセプトは、御覧のとおりN-ONEのボディシェルをベースに前後トレッドを大幅に拡張してダイナミックなブリスターフェンダーを装着した、まさに往年の「シティターボII ブルドッグ」を彷彿とさせるもの。欧州ではAセグメントにカテゴライズされ、日本でも5ナンバー枠となるだろう。

画像: 1983年11月に登場したシティターボII、通称ブルドッグ。専用チューニングが施された1.2Lインタークーラーターボエンジンは110psを発生した。

1983年11月に登場したシティターボII、通称ブルドッグ。専用チューニングが施された1.2Lインタークーラーターボエンジンは110psを発生した。

さらに、ただ単に軽自動車のボディを補強するだけでなく、小さなグローバルカーとしての役割も期待されているようだ。『より広範なグローバルプログラムの一環として、イベントに先立って英国ですでに実現可能性テストを実施しています』という公式コメントにもあるとおり、抜本的な設計変更が行われている様子。つまり、単にN-ONEのボディを拡張しただけではない。恐らく、英国、欧州、ASEAN、そして日本での「小さなEV」の拡張に向けて周到な計画が練られているのだろう。

画像: ロンドンの街なかを走るプロトタイプ。給電口はフロントグリル内に設けられている。

ロンドンの街なかを走るプロトタイプ。給電口はフロントグリル内に設けられている。

今年のグッドウッドは電動モデルを多数出展

意外や、英国のホンダ車はEV、HEV、PHEVなどラインナップはほぼ電動化されている。残るはシビックタイプRのみという状況だ。2輪も電動化が進められており、ホンダの電動化イノベーションは着実に成果を収めつつある。

画像: 発売が迫るホンダの次世代EV「ゼロSUV」も欧州初公開。

発売が迫るホンダの次世代EV「ゼロSUV」も欧州初公開。

今回の展示にも、ゼロSUVが欧州初公開されるほか、発売を控えた新型プレリュードのデモラン(ヒルクライムでの全開走行のあり)、さらに2024年11月のEICMAモーターサイクルショーで初めて展示された、ホンダ初の「フルサイズ」EVモーターサイクルである「EV Fun Concept」、アーバン電動モビリティのビジョンを具現化した「Urban EV Concept」が展示される。さらに、世界初の電動コンプレッサーを搭載したV3モーターサイクルのコンセプトを英国で初公開。モータースポーツ活動から得た知見に裏打ちされたEV技術と次世代HEV技術が一堂に介す。

画像: 新型プレリュードはシビックタイプRとともにグッドウッド名物のヒルクライムで全開走行を披露。

新型プレリュードはシビックタイプRとともにグッドウッド名物のヒルクライムで全開走行を披露。

なお、ホンダ・モーター・ヨーロッパのシニア・バイス・プレジデントであるハンス・デ・イェーガーは以下のコメントを寄せている。

「今年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードに再び参加し、ホンダがヨーロッパのお客様に提供できるすべてのダイナミックなブランドショーケースを開催できることを嬉しく思います。私たちのビジネスは、製品だけでなく、お客様が製品を使ってどのように感じるかということであり、これが今年のスタンドデザインのインスピレーションとなっています。4日間を通じて、皆様にご来場いただき、当社のブランドを体験できることを楽しみにしています」

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